パソコンやスマホをよく使う人は猫背姿勢に要注意です
骨盤は上半身と下半身とを結ぶ場所に位置しており、さまざまな役割を持つことで知られています。
その骨盤を中心に身体全体が歪むと特定の場所に偏った負荷がかかり、不調のリスクを高めると考えられています。
また、姿勢不良やスタイルの悪化に繋がることもあります。
ここではなぜ身体のバランスが崩れ、歪みが生じてしまうのかご説明していきます。
まずは悪い姿勢とはいったいどういうものなのか?
◆猫背
猫背は不良姿勢の代表ともいえる姿勢です。
ここ数年でスマホやパソコンの普及率が大幅に上がった背景もあり「猫背」になってしまっている方が急増しています。
猫背は首が身体の正中線よりも前に出てしまい、背中が丸みを帯びて曲がっている姿勢を指します。
猫背になると肩が内側に巻き込まれる「巻き込み肩(アッパークロスドシンドローム)」や、首のカーブがなくなる「ストレートネック」にもつながっていきます。
◆反り腰
腰まわりの筋肉の柔軟性が失われると、過度に湾曲が強くなることで腰の生理的なカーブが極端に大きくなる「反り腰」になりやすくなります。
高いヒールの靴を履く女性に多く見受けられ、無意識に腰を反らせて歩くようになります。
それが習慣化されると反り腰を引き起こしやすいといわれています。
このようなバランスが崩れた姿勢を続けることで、次第に身体に不調が現れるようになります。
骨盤が歪む原因について
姿勢が崩れる上で最も歪みの中心となりやすい「骨盤」。
骨盤が歪む原因としては、次のようなことが考えられています。
◆骨盤まわりの筋力低下や筋肉の硬さ
お尻まわりの筋肉や股関節周辺の組織など、骨盤まわりの筋力が低下したり、逆に筋緊張によって硬くなったりすることで、骨盤がゆがみやすくなります。
特に骨盤に付着している腸腰筋(主にももを持ち上げる筋肉)が弱くなると、骨盤を正しい位置に支えることが難しくなります。
その結果、骨盤の歪みが生じやすくなります。
◆出産前後のホルモンバランスの乱れ
妊娠期間中は、リラキシンというホルモンが多く分泌されます。
リラキシンには「関節を緩ませる」機能があります。
これは、出産時の産道を確保し、赤ちゃんが通りやすくするために靭帯が緩まったり、骨盤を開きやすくするという働きをもちます。
通常は、出産後2~3週間でリラキシンの分泌は低下していきます。
産後は骨盤内のインナーマッスルや内腿の筋肉が弱くなっている状態で、骨盤が正しい位置に戻らないまま放置してしまうと身体の歪みを助長させてしまいます。
◆腰痛や肩こり
悪い姿勢の状態で日常生活を送ると首や肩、腰の周りの筋肉に負担がかかり、腰痛や肩こりなどになりやすくなります。
特に「猫背」や「ストレートネック」の状態で長くの生活を続けていくと、首まわりや腰まわりの筋肉への負荷が集中してしまうため、筋線維を痛めることにもつながります。
◆自律神経失調症
猫背や反り腰になると背骨が曲がり、背骨の中を通っている脊髄が圧迫され、自律神経の乱れによる不調を起こしやすいといわれています。
身体の歪み自体が直接的に神経症状を引き起こすわけではありませんが、一定の歪みが長く続くと「脊柱管狭窄症」や「椎間板ヘルニア」を引き起こす場合があります。